空を飛んでの旅
4.パリと南仏古代遺跡
4日目 「Pont du GardとAvignon見物」
2002.1.7 その2

 
 
 
 
Pont du Gard(ポン デュ ガール)とは

 
Pont du Gard
世界遺産 Pont du Gard

 
 その橋を前にすると、まず「すげ〜!」と発してしまいます。

 Pont du Gard(ポン デュ ガール)は、約2000年前の古代ローマ時代・紀元後50年頃に造られた水道橋です。 Uzes(ユゼス)にあるユールの泉から、当時の交通の要衝で人口5万人を超えて水不足になりつつあったニームに、生活用水を送るために造られた用水路の一部で、ガルドン川の深い谷に用水路を渡すための橋です。 そういえば総延長50kmの用水路で高低差が17mしかない(1kmあたり34cm)ということを、高校の世界史で習ったような憶えがあるような、ないような。 測量・建設技術の高さに感心するのはもちろん、古代ローマ人の水に対する執念を感じます。
 1985年にユネスコの世界遺産に登録されました。


 
 
 
 
 
Pont du Gardの構造

 
Pont du Gard の諸寸法
Pont du Gard の諸寸法

 
 川面から50m近く上空を、250m以上の長さで渡すという条件を、アーチ橋を3段重ねる構造で実現しています。 この3段構造で実現した大きさが、見る者を圧倒する理由の1つでしょう。
 この水道橋は、近くのVers(ヴェルス)の石切り場から切り出された石灰岩を積んで造られています。 石灰岩は非常に脆い石材ですが、逆に加工しやすかったので、セメントなどを使わずに組み上げられたのでしょう。 よく2000年も崩れずにもったものです。

 
 
 
 
1段目の構造
1段目の構造

 
 川の水は、6連アーチのアーチ1つ分しか流れていませんが、増水時は大変な激流になるそうです。 そのため1段目の基礎部分を岩盤に埋め込み、また下部を船の舳先(へさき)のように尖らせて水の抵抗を減らしています。 アーチのスパン(アーチの間隔)は、同時代の石橋では最大5.2mに対して、最大24mと非常に長いものです。
 1段目のアーチは、手前と奥とで色が違っていますが、手前が2000年前のオリジナル、奥は250年ほど前に人や家畜、荷車が渡れるように増設された部分です。 増設部分の両側には石が積まれ、転落防止の柵のようになっているのがわかりますか?

 
 
 
 
2段目の構造(上流側) 2段目の構造(下流・増設部側)
2段目の構造

 
 2段目のアーチは1段目よりも多い11個。 アーチは1段目と同じスパン(アーチの間隔)、積まれている石の大きさもほぼ同じですが、幅というか奥行きというかは、1段目のオリジナル部分に比べても若干狭くなっています。 1段目の石4つ分に対して、石3つ分の幅です。 装飾なのか、石を積んで行く上で必要だったのか、ところどころに石が突出している部分があります。 大きな石は6トンもあるそうです。

 
 
 
 
3段目の構造(側面) 3段目の構造(導水部)
3段目の構造

 
 3段目のアーチは小さなものが35個。 下部は1・2段目と同じ大きな石積みですが、アーチより上の方はレンガぐらいの小さな石を積んでいます。 この小さな石積みの部分に水が流れていました。 内部にはマルサという天然アスファルトが塗られて、漏水を防いでいたそうです。 導水部は高さ1.9m・幅1.4mで、元々は石のフタがされていたようですが、ところどころなくなっています。
 数年前までは導水管の中やフタの上を歩くことができたようですが、現在はご覧のように柵がされ、入れなくなってしまっています。 塔など高いところが好きな私としては、非常に残念。 ちなみに高さ48mだそうです。

 
 
 
 
 
Pont du Gardの歩き方

 
La Grand Expo
入場ゲートから見た資料館(Le Grand Expo)

 
 入場ゲートを入ると、ご覧の資料館が見えてくるのですが、肝心の水道橋は見えません。 この建物の右側を回って、建物の上を通って行くのが普通の行き方のようです。
 実は5時間もPont du Gardにいて、資料館(Le Grand Expo)には入っていないんです。 日本語のパンフレットによると「ポンデュガールとニームの古代ローマ水道の歴史に関するマルチメディア展覧会」とのことです。
 この建物には資料館の他に、土産物を扱う売店やCAFEなどもあります。 CAFEは朝8:30から営業していました。 朝食を食べずにやってきて、氷点下の寒空のもと1時間半ほど見て回った後に、暖かいカフェオレやホット・サンドイッチを食べて暖まりました。 観光地価格なので約900円と安くはありませんが、寒さと空腹にはかないません。
 オンシーズン日曜休日のバスは、この資料館の前まで入ってきます。
朝食
暖まった朝食

 
Pont du Gard周辺の地図
Pont du Gard周辺の地図

 
 ベストアングルと思う冒頭の写真は、上図の右岸上側「Best」と書いた河原で撮りました。 左岸上側は河岸が切り立っていて、下から見上げるアングルではなかなか撮れません。 太陽の絵がある方角が南に当たるようで、夏の午前中を除いて、下側からだと逆光になってしまいそう。
 オーベルジュ(宿泊設備付きのレストラン)の下に、赤いバツが付いたカメラの絵がありますが、上図でいう右岸下側はオーベルジュの私有地のようです。 知らずに入って怒られました。 また冬季はレストランともども休業中でした。

 さすがと思ったのが、ここでも日本人のツアー御一行様を見たこと。 「南仏プロバンスとパリ7日間」とかいうツアーだったんでしょうか、新婚旅行のような若いカップルから、子供が20代ぐらいの親子連れ、例によってのリタイア組まで、1時間ほどゾロゾロウロウロしていました。 まぁそういうのが苦手だから、苦労してでも一人で行くんですけどね。


 
 
 
 
 
その他もろもろ

 
飛込み禁止  これは橋の最下段の地面に書いてあった絵です。 何を表わしているかわかりますか?

 実は「飛込み禁止の表示です。 この橋の近辺は夏場に遊泳場になるようで、飛び込んで遊ぶ人もいるのかもしれません。 でも最下段からでも水面までは20m余り。 水深がどのぐらいあるのかわかりませんが、禁止したくなるのもわかります。

飛込み禁止

 
有償のパンフレット 無償のパンフレット  左側は、Pont du Gardの歴史や構造を解説した有償(4.57Euro)のパンフレットで、売店で売っていました。 構造のところで書いた数値や解説は、このガイドをもとに書きました。
 右側は、ニームの観光案内所でもらった、資料館La Grand Expoのパンフレットで、Pont du Gardの案内所でも配布していました。
 いずれも英語・ドイツ語・スペイン語などとともに日本語版もありました。 ニームの観光案内所でも思いましたが、日本人はお得意さんなんですねぇ。

 
 
 
 
 
バスでの移動
Pont du Gardについて
Avignon市内観光

 
 
 
 
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