スペインとパリ
6日目 「寝台列車とミニカー」
2002.9.17 その2

 
 
 
 
 
ELIPSOSの車両

 
 列車は、前述の3グレード5種類の寝台車に、食堂車とビュッフェ車、電源車を併せて、20両ぐらいだったでしょうか。 ただしこの車両は特殊で、1両の長さが普通より短く、さらに車体も小さいというか低いです。 ドア横には電光式の表示器が付いていて、行き先や号車を表示しています。 また車体が短いからか、ドアは2両に1ヶ所だけでした。
普通の客車より背が低い 中間車
 
 2等4人部屋の客室ですが、発車直後はベッドがたたまれていて、左写真のように肘掛けが付いたイスが2つずつ向き合っています。 スキマからお察しの通り、イスの背もたれ部分のプラスチックパネルを倒すと、ベッドに早変わり。 上段には低い柵が付けられますが、華奢(きゃしゃ)でちょっと不安。 ちなみにベッドメイクは、車掌さんが巡回してきてやってくれます。

 家族やグループ4人で借り切らない限り男女別々に指定され、4人部屋の入口には鍵のかかる扉が付いていますが、各ベッドには日本の寝台列車のようなカーテンはありません。 また簡単な洗面台やシェーバー用のコンセントが備え付けられています。 空調で乾燥するからか、ミネラルウォーターも1人1本置いてありました。 食堂車は豪華そうですが、外から見ただけです。

2等4人部屋(座席状態) 2等4人部屋(寝台状態) 準備中の食堂車
 
 1等グラン・クラス客室の豪華さがお伝えできれば、そちらの方がいいのでしょうが、機械屋として見ると、この寝台列車の目玉は車輪部分にあります。 普通の車両は、1両に4つの車輪(軸)があるのですが、ELIPSOSでは1両に1つだけ。 1つの車輪にかかる重さが大きくなるので、車体自体を軽くする必要がありますが、座席から遠い連結部分に車輪があるので、乗り心地がいいらしいです。 ちなみにELIPSOSは、機関車に引っ張られて走る客車です。

 でも同じように連結部分に車輪があるTGVやEuromedなどは、1両に2つの車輪(軸)なのに、ELIPSOSは何故か1つ。 その理由が軌間可変台車なのです。 スペインを除くヨーロッパ各国で標準的なレールとレールの間隔(軌間)は1435mm、一方スペイン(AVE除く)は1668mm。
 フランスとスペインを結ぶELIPSOSは、軌間1435mmと1668mmの線路を通して走れる特殊な車輪になっているのです。 片側の車輪が12cmほど、両輪で24cmほど(235mm)車輪の位置を移動できるようになっています。 国境付近の駅の設備で、ゆっくり走りながら水色の点線部分で車体を持ち上げて、黄色青色の線の間を移動させます。 本では見たことがありましたが、実物を見て、手の込んだ構造に泣けました。

車輪配置 軌間可変台車
 

 
 
 
6日目その1
 夜行列車で大移動
6日目その2
 ELIPSOSの車両
6日目その3
 ミニカーの収穫

 
 
 
<< 5日目(準備中)
スペインとパリ MAIN
おクルマの間MENU
空を飛んでの旅
掲示板

 
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送